このページでは、私たちが研究を進めているユニークなインタフェース技術「しょっかんテック」について紹介します。
食感を変えて食事の楽しみを拡張するための音のインタフェース
「筋電咀嚼音フィードバック」と呼ばれる聴覚AR(拡張現実感)を応用し、噛む時の頬の筋肉や側頭筋の動きと同期して、介護食を食べる時に「ザクザク」「シャキシャキ」といった音を与えることにより食感を錯覚させて、食欲不振を防ぐという技術を開発しています[1]。介護食の食感をよくしたり、好みの食感を探ったり、様々な応用研究を進めています。

[1] Hiroshi Endo, Shuichi Ino, Waka Fujisaki, Texture-dependent effects of pseudo-chewing sound on perceived food texture and evoked feelings in response to nursing care foods, Appetite, 116, 493–501, 2017.
触感を変えて身体の不思議を探求するための電気のインタフェース
身体に微弱な電気を流すことで触覚の神経を刺激すると、人工的な触覚を伝えることができます。私たちの研究グループでは、指の中節への電気刺激により指先に感覚が生じる現象を発見し、指で触れた物体の粗さ感覚の変調(ツルツルをザラザラに感じさせるなど)を可能にしました [2]。この不思議な知覚のメカニズムに迫る基礎研究や、医療分野での技能に関わる応用研究を進めています。
[2] S. Yoshimoto et al., Material Roughness Modulation via Electrotactile Augmentation, IEEE Transactions on Haptics, 8(2): 199-208, 2015.